ダブルタイトルマッチ

 WOWOWが無料でボクシングのダブルタイトルマッチを生中継するとのこと。ホルヘ・リナレス、西岡利晃の防衛戦です。
 ホルヘ・リナレスはベネズエラ出身ですが、帝拳ジム所属。かつては日本で試合をしていましたが、オスカー・デラホーヤに見込まれて主戦場をアメリカへ移し、無敗のまま世界チャンピオンを獲りました。次世代のボクシング界を背負うだろうと目されている、スーパースターの超有力候補です。今回の防衛戦は未だに帝拳所属であり、日本語もかなり話せる彼の凱旋試合となります。今回の相手も無敗とはいえ、リナレス絶対有利と誰もが予想していたこの試合。それが試合開始直後、左フックがテンプルに入ってしまいダウン。立ち上がりはしたものの、ダメージは回復せずに二度目のダウンを奪われTKO。誰がこんな結果を想像できたでしょうか。日本でしたら、たとえどちらが勝つにせよKOで終わるならば会場が沸くものなんですが、しばらく完全に静まりかえっておりました。それぐらい予想できない事だったんです。
 続いて、西岡の防衛戦。前回の防衛戦では敵地メキシコに乗りこんで強豪として名の知れた選手を3RKOという、今までの日本人では考えられない事をやってのけています。かなり強いという事は確かなんですが、西岡とは比べられないほどの「絶対」と思われていたリナレスが目の前でああいう事になってしまった以上、どうなってしまうのか怖くなりました。会場でも何とも言えないざわつきが。テレビで見ている私でさえ、会場の何とも言えない異様な雰囲気、観客からの恐ろしいほどのプレッシャーを感じられるほど。そんな中で始まった試合は、西岡が的確に攻撃を捌いてはいたものの、相手の変則的なパンチが何となく気になるところ。そして3R。残り1分ほどで西岡が左をカウンターで打ち抜きました。明らかに右顔面へモロに入ったんですが、打ちどころが良かったのか悪かったのか、相手は倒れずにそのままラウンドは終了。しかし、次のラウンドに立ってくる事はありませんでした。先ほどの左で顎を砕いてしまった模様。世界戦で日本人が顎を砕かれて負けるというのは何度か見た事はあるものの、逆のパターンは初めて見ました。西岡は世界チャンピオンになるまで非常に苦労したものの、それを全く無駄な遠回りだったとはせずに、誰が見ても「今が最強であり、更に進化している」と言えるような強さを身につけた事は賞賛に値すると思われます。今の日本には西岡といい長谷川穂積といい、世界に誇る事ができ、誰もが実力を認めるチャンピオンが二人もいるのです。非常に素晴らしい事ですね。

おまけ
 今回はWOWOWが頑張ってリングアナウンサーのジミー・レノン・ジュニアを呼び、彼の決め台詞「It’s showtime!!」で会場は沸いていました。マイケル・バッファーをK-1へ一番最初に呼んだ時なんて「Let’s get ready to rumble!!」って言わせても、東京ドームは静まり返ったままだったでしたからね。個人的に生でそれ聞いただけで大感動だったんですけど。それだけで決めつけるのもどうかとは思うんですが、何となくボクシングをちゃんと見ているファンが日本にはまだまだたくさんいるってわかったような感じがします。よかった、よかった。

豪速球投手

天母棒球場にて。
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大型ビジョンの左下にスピードガンの表示が出るんですが、なぜか途中で壊れたらしく、この投手に変わったとたんに「400km」「300km」が連発。試合そっちのけで、一球ごとにスタンドは大盛り上がり。すぐに表示されなくなりましたけどね。